この記事をご覧になっているみなさんは、すでにScratchジュニアでいくつかのスクリプトを作ってると思います。しかし、いつも同じパターンで作っていないでしょうか?そんなとき、自分とは違うブロックの使い方があればとても参考になります。
この記事では、使用頻度の少ないであろう「繰り返す」「ぶつかったらスタート」「止める」の3つのブロックについて、よくある普通の使い方と少し高度な使い方の2パターンの使用方法をそれぞれ紹介しています。
マイナーなのに超重要ブロック3選
第3位:「繰り返す」ブロック
マイナー度第3位は、「繰り返す」ブロックです。
わりと苦手意識のあるブロックではないでしょうか?
ふつうの使い方
くり返したいブロックを「繰り返す」ブロックの中に入れて、 「繰り返す」ブロック をいくつかつないでつくるやり方です。
うさぎのスクリプト
繰り返したいブロックをつないで「繰り返す」ブロックの中に入れます。
違う動きをさせる場合は、「繰り返す」ブロックを横につなぎます。
すこし高度な使い方
「繰り返す」ブロックそのものを、さらに「繰り返す」ブロックの中に入れるやり方です。
多重ループとも言います。
たつのおとしごのスクリプト
「繰り返す」ブロックの3重ループでつくっています。
多重ループは、「内側の繰り返し→外側の繰り返し」の順番で実行されます。
第2位:「ぶつかったらスタート」ブロック
マイナー度第2位は、「ぶつかったスタート」ブロックです。
シンプルな使い方なら分かりやすいブロックだと思います。
ふつうの使い方
あるキャラクターが別のキャラクターに触れたときに、別のキャラクターにアクションを起こすやり方です。
いぬのスクリプト
なにか別のキャラクターに触れたら『ワンワン!』としゃべらせています。
ボールのスクリプト
ボールは右に動き続けるだけです。
すこし高度な使い方
あるキャラクターが別のキャラクターに触れたときに、どちらのキャラクターにもアクションを起こすやり方です。
てぃっくのスクリプト
なにか別のキャラクターに触れたらアクションを起こしています。
ここまでは、ふつうの使い方と同じです。
バスケットボールのスクリプト
こちらの方にも「ぶつかったスタート」ブロックのスクリプトをつくって、ボールのはね返りを表現しています。
何かが何かにぶつかったとき、ふつうはどちらにも力がはたらきます。これを作用反作用(さようはんさよう)の法則といいます。このような状態をあらわすために、どちらのキャラクターにも「ぶつかったらスタート」ブロックを使っています。
第1位:「止める」ブロック
マイナー度第1位は、「止める」ブロックです。
そもそも使いどころが良く分からない、といった感じでしょうか?
ふつうの使い方
「ずっと繰り返す」ブロックの処理を、ある条件が発生したときに止めるやり方です。
ここでは「ぶつかったらスタート」ブロックを使っていますが、「メッセージを受け取ったらスタート」ブロックでも同じです。
バスのスクリプト
ほかのキャラクターに触れると「止まる」ブロックでスクリプトが停止します。
ただし、ほかのキャラクターに触れ続けていると「ぶつかったらスタート」ブロックが有効になっているということなので、スクリプトは動き続けます(実際には「止める」ブロックしかつないでいないのでバスは動けません)。
まほうつかいのスクリプト
※まほうつかいのスクリプトはありません。
「ずっと繰り返す」ブロックは、プログラムを止めない限り永遠に動き続けます。これをプログラムの中で停止させるときに「止める」ブロックを使うことができます。
すこし高度な使い方
「止める」ブロックはスクリプトを止めますが、その後にもブロックをつないでスクリプトをつづけるやり方です。
サッカーボールのスクリプト
ほかのキャラクターに触れたらスクリプトをいったん止めて、その後にブロックをつづけます。
このとき、「ずっと繰り返す」ブロックの処理は止まっています。
「止める」ブロックを使わないと「ずっと繰り返す」ブロックの処理は止まりません。
いぬのスクリプト
いぬは、サッカーボールからメッセージを受け取ってからスクリプトを開始します。
まとめ
今回は、使用頻度の少ないであろう「繰り返す」「ぶつかったらスタート」「止める」の3つのブロックについて、ふつうの使い方と少し高度な使い方の2パターンの使用方法をそれぞれ紹介しました。
マイナーなのに3つの超重要ブロックの使い方のポイントは以下です。
- 「繰り返す」ブロック・・・ブロックを入れ子にして多重ループをつくると、複雑な動きをつくることができる。
- 「ぶつかったらスタート」ブロック・・・キャラクター同士の力のはたらき(作用反作用の法則)を考えると、リアルな作品をつくることができる。
- 「止める」ブロック・・・主にずっと繰り返す処理を止めるのにつかう。「止める」ブロックの後にもブロックを続けることができる。
今回紹介したこれらのブロックは、これまで使う機会があまり多くなかったかもしれませんし、単純な使い方しかしていなかったかもしれません。
Scratchジュニアは、ブロックが少ない分選りすぐりのブロックだけが用意されています。
1つ1つのブロックの特長を理解して、ぜんぶ使いこなせるようにしましょう。
今回紹介したスクリプトで使っているブロックの名前や機能の説明は、すべてこちらの記事にまとめています。↓↓↓